CIRCUS 編集部ブログ

Webマガジン「CIRCUS」編集部のブログです。http://circus-magazine.net/

Webマガジンを2ヶ月やってみた雑感

 

CIRCUSは昨年(2015年)の12月にオープンしたので、だいたい2ヶ月くらい経過。その雑感をまとめてみました。

 

1. 意外とPVはある

数字は出しませんが、特に大きなスポンサーがいるわけでもなく、細々とやっているWebマガジンとしてはなかなかの数字だと思います。PV稼ぎのために記事を量産したり、ページを細切れにしたり、みたいなこともしてないですしね。

流入元はSNSが圧倒的に多いです。最初はライターの方が宣伝してくれたり、CIRCUSのTwitterFacebookからですが、そこからRTやいいねがつくと結構広がりはありますね。

それなりに広がったのは、例えば以下のような記事でした。

悠々自適?ストイック?カフェオーナーのライフスタイルとは。AKITO COFFEE 丹澤亜希斗さんインタビュー | CIRCUS

日本ではなぜ里親制度が利用されないのでしょうか? まずは親子関係や子育てについての意識を変えることから | CIRCUS

「これから何を目指してるかなんですけど・・・ルパン三世なんですよ!」羊毛作家いっこの実さんインタビュー | CIRCUS

 

2. 何がうけるか分からない

編集段階では、「この記事はいける!」とか「これは受けないかなあ」などと思ったりするのですが、たいてい当たらないです。自信があったのに読まれなかったり、その逆があったり。

内容だけじゃなくてタイトルやアイキャッチ画像、その他いろいろな要素がからんでいると思うのですが、まだまだここは研究が必要です。

 

3. 見てる人は見てる

CIRCUSに書いていただいているライターの方は、もともとプロのライターではない方が多くて、報酬を得て記事を書くのが初めて、という方もいらっしゃいます。

嬉しかったのは、掲載された記事を見て、そのライターに別媒体からのオファーがあったこと。その記事はたしかにとても良く出来ていたので、見てる人は見てるのだなあと思いました。(私も別の媒体をよく見てるので、当たり前といえば当たり前なのかも。)

 

4. 権力が怖い

ちょうど都築響一さんの圏外編集者を読んでいたのでこれを言葉にできるのですが、編集者には大きな権力があるなあと感じてます。ライターが頑張って書いた記事を自分の気まぐれでボツにすることもできる。やってみて分かったのですが、これはとても怖いことです。

記事にダメだししたり、直しを入れたり、「こうしたらよくなるよ」という提案をしたりするのですが、1つ1つ、わりと怖いです。権力がある分、適当なことを言ったら信頼関係なんてすぐなくなると思うからです。

なので、どんな読者よりも記事を真摯に読む、ということを心がけてます。これは結構しんどいですが、これしかないだろうなと思います。

 

5. 編集者には、誰でもがなれるわけではない

当たり前、ですかね。

私は普段はシステムやアプリの受託開発をしたりWebサービス をやっていたりするのですが、記事の編集はこれが初めてでした。

で、いちおう自己評価としては編集者としてなんとかなってるかなと思うのですが、誰でもできるわけじゃないなとも思います。

自己分析すると、以下の要因があったのかなと。

 

・読書量が一般的な人よりかなり多い。

→好奇心。良い文章と悪い文章を直感的に感じ取ることができる。悪い文章のどこが悪いかを指摘できる。

 

・昔こじらせて文章を書いてみようとしたことがある。

→書き手の気持ちがわかる(?)

 

・ライターがあげてくる「生の」文章に愛情を持てる。

→初稿は結構粗いものが多いので、そこにどれだけ向き合えるかはかなり大切。

 

これを満たせば編集者になれる、かどうかはわかりませんが。ただ、Webマガジンなんて簡単に作れる時代なので、どんどんやってみるといいと思います。楽しいですよ。

 

 

というわけで、雑感でした。

今後ともCIRCUSをよろしくお願いいたします!

 

 

そうだ京都、行こ・・う?

 

「そうだ京都、行こう。」

このコピーと、ジャズ・スタンダードナンバー「My Favorite Things」。そして京都の美しい風景。幾度もテレビのスクリーンに映し出されるCMにつられて、何万人の人が京都に足を運んだことでしょうか。

 

このコピーが秀逸なのは、群馬でも山形でも北海道でもダメで、京都じゃないといけないから。群馬にも山形にも北海道にも、「そうだ」はない。京都にはある。そういうことです。

 

そんな不思議な魅力を持つ魔都、京都。

 

しかしCIRCUSはあえてJR東海とは逆のキャンペーンを張ります。(嘘)

今回から一コマ漫画もお願いしてみたので、お楽しみいただければ。

 

 

circus-magazine.net

 

 

ちなみに、しばざきさんに一コマ漫画をお願いしたのは、ちょうど私が水玉螢之丞さんの「SFまで10000光年」を読んでいたからでした。

 

https://twitter.com/miztama1016

 

直近の3ツイートはご主人のもの。そしてそこで終わっている。

アカウントを消さないでくださって本当に良かった。

 

 

インターネットのうらがわ

 

はてなアノニマスダイアリーが結構好きで、よく読んでいます。

(控えめに言って)ろくでもない文章が多いですが、たまに面白いものがある、というのはみんな知っていて、定期的にはてなブックマークでホットエントリ入りしたり。

 

ネットの文化論については多くの人が語っていますが、「アノニマス」性というのはものすごく大きな意味を持っているでしょう。匿名性。

書いたものに対して責任をとらなくてよいということ。

そう書くとネガティブな印象になっていまいますね。ただ、そのおかげで自由に書くことができるということも事実で、ネットがこれほど普及したのはやはりそこが大きいのだろうと思います。

 

匿名性があることによってネットには定期的に負のエネルギーが注入されます。それだけを見ると「良くない」ことのように見られがちです(実際、「ひどいなあ」と思うこと多々ですが)。

ただ、ネット上の面白いものは、そこを土壌にしているんじゃないかと思っています。2ちゃんねるはたしかに掃き溜めみたいなところですが、確実に面白い。

 

「優れた作品は作者の絶望から生まれる」

 

なんて誰かが言ってましたしね。

 

というわけで(というわけじゃないんですが)、新しい連載が始まりました。

 

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特に結論を用意してるわけじゃないですが、観察から何かが見えてくる・・・といいですね。

ぜひ。

 

 

 

シルヴィ・ギエムとウィリアム・フォーサイス

 

シルヴィ・ギエムの記事を公開いたしました。

 

circus-magazine.net

 

 

この記事を編集するにあたってYoutubeシルヴィ・ギエムの動画を漁っていたのですが、特に印象に残ったダンスが2つありました。

 

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

特に前者はめちゃくちゃかっこいい。

エッジのきいたエレクトリカルな音楽にコンテンポラリーなダンスをのせているかんじがダムタイプを思わせて、遠い昔のトラウマを呼び起こさせます。(これ。良すぎてやられたというトラウマ。)

そして振り付けとシルヴィ・ギエムの硬質な踊りがとてもマッチしていますね。

 

この2つは、同じ振付家の手によるもの。

振付家は、ウィリアム・フォーサイスです。

 

 恥ずかしながら今まであまり知らなかったのですが、コンテンポラリーダンスの世界では世界的な巨匠のようですね。また、ダンスにとどまらずインスタレーションなどのアート作品も制作されているようです。

たまたまTwitterで見かけた下記の作品、ヤバイです。

 

 

 昨年行われたシルヴィ・ギエムの引退ツアーではウィリアム・フォーサイスの演目もあったらしく、もっと早く知っていればなあ。シルヴィ・ギエムはもう見ることはできないでしょうけど、ウィリアム・フォーサイスは追っていきたいと思った次第でした。

 

 

人生は旅そのもの、と言うのは簡単だけれど

「人生は旅そのもの」

最初に聞いたのは映画だったかな、小説だったかな?

人生が旅じゃないとは思えないし、なんかイイカンジのワーディングだし、なんとなくまとまった気分になる。

というわけで私たちは幾度となくこの言葉を耳にするわけですが、本当に人生を旅できる人はあまり多くはないというのもこれまた真理。そもそも旅になんか出たくない人もいるわけですからね。(たとえば私)

 

「旅」とは何かと言えば、「今いる場所から離れること」でしょうか。もちろん、地理的な意味だけではなく。

私は今、コタツに入って猫を膝の上にのせ、Youtubeで好きな音楽を聞きながらこの記事を書いていますが、旅に出るとはこれを全部捨てて雪の降る街へ飛び出していくようなものです。そんなことできるわけない!

 

でも、そういうことができる人がいます。

その中の1人、ととら亭のマスター久保栄治さんのインタビューを掲載しました。かなり長時間にわたってお話を聞かせていただいたので、前後編にわけさせていただいてます。

ととら亭のはじまりから、今にいたるまで、まさに「旅そのもの」の話をきくことが出来ました。

 

「”すっぴんの状態”で生きていく方が楽じゃないの?」旅の食堂ととら亭、久保栄治さんインタビュー 前編

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2年かかった「開業プロジェクト」。5年かかったコンセプトの浸透。「旅そのものだった」ととら亭の未来。久保栄治さんインタビュー 後編

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 お店は東京都の野方にありますので、もっとお話を聞きたい方は直接お店に足を運んでみてはいかがでしょうか?

 それでは。

 

 

一流の音楽家は文章も上手い

 

竹中のりこさんの連載、2回目を掲載しました。

 

ウィーンのオーケストラではたらくということ op.2  オーディションの話。

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竹中さんは、佐渡裕さんが指揮者に就任されたことで日本でも話題になったトーンキュンストラー管弦楽団に所属されています。現役のヴァイオリニストで、一流の音楽家。

 記事をお読みいただければ分かりますが、文章もとても上手いです。武満徹さんの著作や、最近だと青柳いづみこさんの著作を読んでいて思うのですが、一流の音楽家は文章を書くのも上手いという傾向があるように思います。

音楽には明確にリズムやメロディーがありますが、文章にもそれはあります。だから、というのは安直でしょうか?

 

今回の記事は、知られざるオーケストラのオーディションのお話。編集段階で削ってしまった部分もあって、もっと詳細にお伝えできないのが残念ですが、苦しみは伝わったでしょうか。私はずっと観客席側にいたいですね(笑)

トーンキュンストラー管弦楽団は来日が予定されているようですので、竹中さんの演奏をお聞きになりたい方はぜひ。

 

<速報>佐渡裕指揮 トーンキュンストラー管弦楽団 2016年5月に日本ツアーが決定!! - 佐渡裕 オフィシャルファンサイト

 

VICEはすごい

 

http://jp.vice.com/

「VICE」というメディアがあります。

コカイン、ヤクザ、戦争・・など、かなり踏み込んだ記事が多く、既存のWebメディアとは一線を画しています。

編集の方針がとてもパンクで、「面白いものしか掲載したくない」という姿勢がひしひしと伝わってきます。クソみたいな(おっと失礼)まとめサイトが増える中、応援したいメディアの1つです。

 

このVICE(JP)の中に「Who are you ?」という私がとても好きな企画があります。

jp.vice.com

インタビューされる人は基本的には「普通の人」。いわゆるインタビュー記事のように有名人が出たり、何か特別なことを話すわけではないのですが、とても面白い。まあ出る人は自薦ででているので、ちょっと普通ではないところもあるのですが(笑)

通常はインタビューされる人との信頼関係を結ぶのはとてもむずかしいはずなのですが、インタビュワーの力量がとても高く、距離感が絶妙だなあといつも感心しています。普通の人の普通の人生は面白い、と感じさせてくれる企画です。

 

さて、この企画の真似をしているわけでもないのですが、CIRCUSでもインタビュー記事をメインに置いています。最近では、VICEに出てもおかしくなさそうな蔵人(くらんど)さんの記事。

日本を駆け巡るフリーランス女将、蔵人(くらんど)さんにインタビューしてきました。

circus-magazine.net

 

まだまだVICEにはかないませんが、とても面白くしあがったと思いますので、ぜひ読んでみてください。

あと、CIRCUSにインタビューされてくれる人も絶賛募集中なので、興味ある方はぜひご連絡ください(笑)